2017年10月05日

conte


城址公園の近くを散歩していて、通るたびに気になっていたお店があった。
扉には「zakka conte」

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ある日通りかかったら、お店の外で女の人がタバコを吸っていて
それが店主のなおさんだった。

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conteの中には、なおさんがいいと思ったアート作品や雑貨が
ぎっしりと並んでいた。
器、アクセサリー、絵画、猫、服、絵画、古書、リトルプレス、

これすてき、と感想を言ったりすると、
なおさんはうれしそうにゆっくり笑って
「あーそれ。気になった?いいよね。」と

作家さんの話から、いろんな話がとめどなく続いて
はっと気づくと1時間以上たっていた、なんていうこともザラだった。

買うように勧められたことは一度もない。
買う、というと、
「え、ほんとに?」
と毎回言われた気がする。

2013年の夏、
古本市をやりたい、と相談に行ったら、
すごくいい!
すばらしい!
うしやまさんが光って見える、
と、言ってくれた。
あの時の全肯定のおかげで、わたしはいまでも前に進むことができる。

たくさん具体的なアドバイスをくれて
いろんな面白い人を紹介してくれて
conteでもたくさんの作家さんたちといっしょに
「読む」ということに真摯に向き合い
興味と愛情の結晶みたいな展示をつくってくれた。


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悩んだり
腹たつことを話しに行くと
もっと腹たつ話を聞かせてくれて
それが大概、私の話なんてどこかに飛んでいくくらいとんでもない話だった。

ニセモノや俗物が大キライななおさんの悪口は超痛快で

書いているとどんどんいろいろ思い出す。
不思議な話もたくさん聞いた。

ありがとう、と言うと、
「なんでーこちらこそだよー」と
メガネの奥の目がゆっくり笑ってた。

conteですごした時間を思い出すと
永遠に続く、ひだまりの午後や、
夢の中のような感じです。



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2012年05月07日

魚がしのお神輿


今年の魚がしのお神輿には二匹の鰤(ぶり)が載っていました。
渡御の途中で立ち寄った神酒所には
「みたこともないくらいピカピカの鯛」
が祀られていたそうです(夫、談)。

小田原は海の街。漁業の街。
街中の祈りよ、届け。

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2012年03月11日

喪の作業


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 私たちは愛する者を亡くすと、悲しみつつ、
 その人に何もできなかったと後悔し、
 残されたものとして自責の念をもつことがあるのです。
 しかし現代は忙しい時代、その感情を押し隠し、
 すぐに職場や学校に復帰し、
 元気に振る舞わなくてはならないのです。

 本来そのような時、先人達は葬儀や喪に服する時を十分にとって
 信頼できる仲間に繰り返し胸の内を物語る
 「喪の作業」をすることができました。

 
震災を覚える祈りの日の「教会週報」載っていた
職場を去る恩師からのメッセージ。

「渡せただけで満足です。」
と表に書かれた生徒からの手紙をあけてみると
大好きな親族を失ったこと、悲しみがあふれて止まらないので
先生に話を聞いてほしかったけれど諸般の事情でそれが叶わず
手紙を書く、という内容だったそうです。

悲しみと悔いが綿々と綴られたあと、
「ああ、なにかお手紙にしたら落ち着いてきました。
勝手に打ち明けてすみません。一方的にですがうちあけさせて下さってありがとうございました。返事とか、いりません。この手紙も捨てて下さい。うちあけたかっただけなんです。ありがとうございました。」
と手紙は終わり、
それを読んでこちらの体もあたたかくなり赦されたように思った、

と師のメッセージには、書かれていました。

喪に服す、というのは
年賀状を出さないことではなく、
受け入れる、
周りはそれに寄り添う、
ただそういう自然なことなのだと、思いました。





posted by SPIKA at 23:40| Comment(2) | TrackBack(0) |
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